タロットを初めて手にしたとき、「78枚全部意味があるの？向きまで違うってどういうこと？」と戸惑うことは当然です。でも、大丈夫。ペラペラに覚え込む必要はありません。大切なのはカードに込められた象徴を観察し、直感と自分の言葉で読み解くこと。この記事では、初心者が最初に知っておきたいタロットの構造から、カードの選び方、正位置と逆位置の捉え方、そして実際にカードを読むための視点までをしっかり解説します。
カード構成の理解から始める
タロットカードはすべてで78枚。その中には人生の旅路を描く「大アルカナ22枚」と、日常を映す「小アルカナ56枚」があります。大アルカナは「人生の大テーマ＝魂の成長」を象徴する存在で、愚者から世界に至るまで物語のステップが描かれています。対する小アルカナは、感情や人間関係、身近な出来事などの具体的な場面を表し、実践的なリーディングに有効です。大枠と細部、両方を組み合わせて読むことがタロットの醍醐味です。
ライダー・ウェイト版と占い空間の整え方
初心者におすすめなのは、象徴がわかりやすく描かれたライダー・ウェイト版のデッキ。この78枚セットには、しっかりした厚紙製で、専用解説書つきのものも多く販売されています。持ち運びにも安心なベルベット素材の巾着袋や、カードを並べるために使うクロスが付属しているものもあります。
クロスは布一枚ですが、テーブル上に神聖な場を作り、自分自身の集中を助ける役割があるんです。厚めで滑りづらい素材が選ばれている理由は、シャッフルしやすく、カード展開が安定し、スペースも明確になるから。色は黒や紫、赤など落ち着いた濃色が多く、カードが映える効果があり、空間の雰囲気が変わります。また、香りやキャンドルなど、五感を整える小物を取り入れることで、占う時間そのものが「儀式」のような心持ちになるんです。
正位置と逆位置のリアルな読み方
カードを引くとき、上が正位置、下が逆位置になります。正位置はそのカードが持つ「透明で純粋な意味」で、テーマや兆しがストレートに現れている状態。一方、逆位置は「エネルギーが内側に留まっている」「極端に出ている」「本来の流れが止まっている」状態だと解釈します。
たとえば「力」のカードが逆位置だとすると、本来の勇気や自信が発揮できず、抑圧されていたり、自分を過信していたりする可能性が読み取れます。ただし、逆位置＝悪い、というわけではありません。逆位置から受け取るのは「気づき」や「修正のヒント」「行き過ぎた流れのバランス調整」です。
意味に縛られないリーディングのすすめ
「覚えなきゃ……」と思い込むと、自分の直感やカードの声を聞く余地がなくなってしまいます。だからこそ、まずは決まり切った言葉ではなく、「カードのどんな部分が心に響くか」を意識することが大事。
具体的には以下のポイントを観察してみてください。
数字：成長や段階を読むヒントになる
色：赤＝情熱、青＝冷静、黄色＝希望など、感情の流れを読み取る
シンボル：花・動物・道具などに込められた意味を感じ取る
位置：上部は意識、下部は無意識。左＝過去、右＝未来も使える読み方です
人物の様子や背景にも注目すると、物語が見えてきます。
こうして観察していくことで、「どこが引っかかるか」「何が足りないか」が自然に浮かび、自分の言葉で解釈できるようになります。これが「直感で読む」タロットの力です。
大アルカナ最初の一歩「愚者」の深い意味
大アルカナの0番「愚者（The Fool）」は、タロット旅のスタート地点。崖っぷちに立ちながらも自由で純粋に歩き出す若者は、怖れを知らず、すべてが可能な状態を象徴しています。
荷物がほとんどない彼は、過去のしがらみや他人の評価に囚われておらず、それゆえに無限の可能性へ踏み出せるのです。初心者が最初に学ぶカードとしてふさわしいテーマが「自由な視点」「新たな可能性」「恐れない好奇心」であることがわかります。
愚者のカードを読むときは、「今の私はどれくらい自由を信じているか」「恐れずに次の一歩を踏み出せているか」「本当に手放すべきものは何か」と自問しながら、そのメッセージを自分に重ねてみましょう。
まとめ
タロットは78枚と聞くと難しそうに思えるかもしれませんが、実際には
・大アルカナと小アルカナを理解すること
・ライダー・ウェイト版で視覚的シンボルに触れること
・クロスや香りなどで場を整えること
・正位置と逆位置の意味を感覚で捉えること
・カードを暗記しようとせず、絵から直感で意味を受け取ること
これらを押さえれば、自然と読み方が身についてきます。愚者のカードから始まり、タロットはあなた自身の物語を紡ぐ対話の道具となるでしょう。カードと過ごす日々を通じて、自分自身とも深くつながることができます。初めての方もどうぞ安心して、ゆっくりとカードに触れてみてください。その一歩が、人生の新しい地図を広げてくれることでしょう。
